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「体験格差」という言葉が流行って以来、教育熱心な家庭が子供に体験をさせようとするトレンドがあります。また、大学の総合型選抜では体験が重視されると盛んに主張する業者やNPOが存在し、彼らは受験生に留学や探究プログラムなどの「体験」を販売しています。ます。一方で、このような「体験格差」ブームや体験を売るビジネスに対する疑問の意見もでてきました。
低所得者層の家庭の子どもは、旅行等の特別な体験が少ないという傾向が見られました。出典:AERA with Kids+ 2025/8/23(土)
消費者のニーズを喚起するというのは、商売のやり方だから。「体験しておかないと貧しい人生ですよ」って恐怖を煽る。”出典:文春オンライン 2025/4/18(金)
新興の業者は「総合型選抜は経験がすべて」といい、「経験」を売ろうとします。出典:杉浦由美子 2025/7/21(月)
『不安商法』というものがあります。消費者の不安感につけ込んで、高額な商品を買わせる商法です。教育を取材していると、この『不安商法』が非常に多いことが分かります。その例が『体験格差』ビジネスではないでしょうか。『低所得層の子供ほど体験が少ない』とされる『体験格差』が報じられると、『体験をさせないとうちの子も格差の底に落ちてしまう』という不安感を煽られる保護者も出てきます。しかし、『お金で買える体験』に意味はあるのでしょうか。例えば、山奥に連れていき、『大人が用意した安全な自然体験』をさせるツアーがありますが、自然の中での体験は、子供自身が『どうしたら危険な目に遭わないか』を判断して行動することを学ばないと意味がないでは。体験を通して成長させるのではなく、『体験をさせること』で満足するのは本末転倒でしょう。また最近は『大学の総合型選抜は体験が評価される』というセールストークも加わり、体験を売るビジネスがよりしやすくなっています。しかし、実際の総合型選抜はより学力を重視する方向にシフトしています。取材先の難関大学の教授も『親の金で海外ボランティアに行ったことを評価するわけがない』と話していました。
キャリア20年の記者。『女子校力』(PHP新書)、『中学受験 やってはいけない塾選び』(青春出版社)など単著は14冊。『ダイヤモンド教育ラボ』、『ハナソネ』(毎日新聞社)『マネーポストWEB』(小学館)などで取材記事を寄稿している。趣味は取材。
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