タイ国立科学技術開発機構(NSTDA)傘下の国立エネルギー技術センター(ENTEC)は9月9日、竹由来の炭素複合材料を用いたナトリウムイオン電池用アノード材料の研究で優秀研究賞(SLRI賞)を受賞したと発表した。
(出典:NSTDA)
受賞したのは「竹由来ハードカーボン/カーボンナノチューブ複合材料を用いた長寿命ナトリウムイオン電池用アノード材料の開発」についての研究で、環境持続可能性と先端材料科学の融合を特徴としている。プロジェクトはENTECエネルギー貯蔵技術研究チームのチャクリット・スリプラチュアウォン(Chakrit Sriprachuabwong)博士が主導し、NSTDAタイマイクロエレクトロニクスセンター(TMEC)のアディソーン・トゥアントラノン(Adisorn Tuantranont)所長と共同で進められた。
研究チームは、廃棄された竹箸をナトリウムイオン電池用のアノード材料に転換した。生成された炭素複合材料は、充放電効率が高く、サイクル寿命の延長も実現している。この成果は廃棄物管理の課題解決とエネルギー転換の推進を同時に満たす技術として注目される。
授賞式では、NSTDA代理アシスタントディレクターのパトラバディー・プロイキティクーン(Pattravadee Ploykitikoon)博士が研究チームを祝福した。また、同日開催されたシンクロトロン光ユーザーミーティングでは、チャクリット博士が基調講演者として登壇し、研究の背景や成功の要因について語り、参加者と経験を共有した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
参考サイト(外部サイト):
● タイ国立科学技術開発機構(NSTDA)
https://www.nstda.or.th/en/news/news-years-2025/entec-nstda-honored-with-slri-award-for-bamboo-derived-carbon-composite-for-sodium-ion-batteries.html
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