「お客様のために」と販売した商品が…銀行ビジネスが一変したリーマン・ショックの衝撃(PHPオンライン) – Yahoo!ニュース


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菊地敏明氏は、書籍『銀行ビジネス』にて、銀行窓口での投資信託販売開始とその後に起こったリーマン・ショックの影響について解説する
2000年代に入り、銀行は「預金・融資」に加えて、投資信託や保険といった商品の販売でも収益を上げるようになりました。いわゆる「窓口販売(窓販)」の解禁です。しかし、その新しいビジネスモデルを一変させたのが、2008年のリーマン・ショックでした。 世界的な金融危機の余波は日本の銀行にも及び、顧客対応や現場のモチベーションに深刻な影響を残しました。 本稿では、銀行ビジネスの第4の柱として期待された窓販の歩みと、リーマン・ショックがもたらした現場への衝撃について、金融エディターの菊地敏明氏の書籍に『銀行ビジネス』より解説します。 ※本稿は、菊地敏明著『銀行ビジネス』(クロスメディア・パブリッシング)より、内容を一部抜粋・編集したものです。
1998年に解禁された投信窓販、そして2001年から段階的に解禁されていった保険窓販は、紆余曲折はありながらも順調に拡大していきました。その象徴的な商品となったのが、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」という投資信託で、通称「グロソブ」。 グロソブはピークの2008年には残高が6兆円近くにまで拡大し、国民ファンドと呼ばれるまでになりましたが、とりわけ窓販での人気が高かったことで知られています。その人気の秘密は分配金にあり、毎月、一定の金額が支払われる仕組みは、給与による毎月の収入がなくなったリタイア世代に特に好まれたのです。 しかし、そんな窓販の絶頂期ともいえる状況が一変した出来事が「リーマン・ショック」でした。改めて説明しておくと、リーマン・ショックは2008年9月に起こった米国の大手証券会社リーマン・ブラザーズの破綻と、それ以降に発生した世界的な金融危機を指す言葉です。その要因となったのは、サブプライムローンと呼ばれる米国の低所得者向け住宅ローンが不良債権化したことでした。 リーマン・ショックの直後には世界的に株式市場が暴落し、日本でも翌10月には日経平均株価が7000円を割り込んでバブル崩壊後の最安値を更新するなど、金融市場は大混乱に陥ったのです。この暴落の影響を受け、投資信託の基準価額も軒並み下落。特にリスク商品に慣れていなかった銀行の顧客はパニック状態に陥り、銀行にもクレームが殺到しました。販売現場の担当者は、そうした顧客のフォローに追われて疲弊していきます。 また、投資信託だけではなく、当時、銀行でヒット商品となっていた投資信託を組み込んだ一括払いの変額個人年金保険も運用実績が悪化。それらの商品の多くは最初に払い込んだ保険料が保証される仕組みになっていましたが、そのためには5年、10年など一定期間保有する必要があります。 しかし、それを元本確保と勘違いし、途中解約して損失を被る顧客が続出、やはりクレームが殺到します。当然、保険会社の側にもその影響は及び、多くの変額個人年金保険を提供していた当時のアイエヌジー生命、ハートフォード生命などの外資系保険会社が日本から撤退するといった事態にまで発展するのです。 投資信託であれ変額個人年金保険であれ、リスク商品である以上はマーケットの影響を受けるのは本来、当たり前のこと。けれども、当時は販売する側も購入する側もリスク商品に慣れておらず、その当たり前のことが浸透していなかったわけです。 このリーマン・ショックを契機に窓販は「冬の時代」を迎え、投資信託の販売も低迷します。そうした中で、分配金の高い投資信託が選ばれるようになっていきました。グロソブの紹介の際に説明した通り、毎月の分配金は特に銀行の顧客に好まれましたが、安定的な分配金を支払うために、元本を取り崩して分配金に充てる仕組みになっている投資信託も多くありました。 もちろん、それ自体は決して悪いものではなく、資産を増やしながら取り崩すというニーズに適った便利な機能。ただし、その仕組みを理解しないまま、分配金の高さだけに魅かれて購入する顧客が多かったのも事実です。 さらには、より大きな金額で購入してもらえれば、それだけ手数料も多くなる、いわゆる「狩猟民族」的な文化が浸透した弊害でもあったのでしょう。「回転売買」と呼ばれる、販売手数料を稼ぐために顧客に売買を繰り返させるような販売手法も、一部の銀行では横行するようになります。 手数料ビジネスが「第4の業務」として定着し、一定の収益が期待されているにもかかわらず、販売が低迷したためプレッシャーが高まり、そうした不適切な販売が行われるようになったのかもしれません。こうした状況は、社会問題にすらなっていきました。
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