
ーTech for Human Evolutionー
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[公開]
[更新]2025年12月7日
「AIに『ちょっと賢いアシスタント』以上のものを求め始めているなら、NotebookLMの今回のアップデートは避けて通れない話題かもしれません。
NotebookLMは、Chat customization機能の入力上限を500文字から10,000文字へ拡張し、ユーザーがAIに与えるペルソナや役割定義をより細かく設計できるようになった。
12月5日の公式X投稿では、この変更を「Small (but mighty) update」としつつ、プロダクトマネージャー、中学校教師、科学研究者という三つのサンプルプロンプトを提示し、NotebookLMを「特定の役割を持つAIアシスタント」として使う具体的な方向性を示している。
From:
Small (but mighty) update: Chat customization now supports 10,000 characters
Small (but mighty) update:
We expanded the character limit for Chat customization from 500 to 10,000 characters, so now you can create much more detailed personas.
Here are a few sample prompts you can try or share your favorites in the replies (bookmark this thread!)
1. The…
NotebookLMの今回のアップデートは、モデル性能の向上そのものよりも、「ユーザーがAIにどこまで自分の思考様式を埋め込めるか」を一段引き上げるものだと捉えられる。500文字ではトーンや役割、禁止事項を詰め込むだけで精一杯だったが、10,000文字あれば、判断基準やワークフロー、優先順位付けのロジックまで含めた「思考の設計図」に近いペルソナを記述できるようになる。
公式が例として示しているのは、プロダクトマネージャー、中学校教師、科学研究者という三つの職種であり、いずれも長い文脈と専門性を前提としたペルソナだ。NotebookLMはアップロードした資料を理解・再構成するツールだが、そこに長文ペルソナが加わることで、「何でも屋の要約AI」から「チームの中にいる特定ロールのメンバー」のように機能させる道が開けつつある。
同時に、10,000文字ペルソナはバイアスの受け渡し経路にもなり得る。特定の価値観やビジネスゴールを強く埋め込んだプロンプトを共有・再利用すると、その前提を内蔵したAIがテンプレートとして広がっていく可能性があるからだ。効率化というメリットの裏側で、「なぜその結論に至るのか」がプロンプトに埋もれ、意思決定がブラックボックス化するリスクには意識的でありたい。
規制やガバナンスの観点から見ると、焦点はモデルそのものから「プロンプトと設定の管理」に一段と移っていく。NotebookLMのように自前の資料を読み込ませるタイプのサービスでは、どのような前提・ロールで応答するよう設計されたAIなのかを説明できることが、企業利用や教育現場での信頼性に直結するようになる。また、機密資料を扱うケースでは、ペルソナと権限設定をセットで設計するポリシーづくりも求められていくだろう。
長期的には、詳細な人格・役割記述が一般化することで、人は自分の思考スタイルや仕事の流儀を自然言語で外在化する機会が増えていく。これは単にAIを便利にするだけでなく、「自分は何を重視し、どう判断するのか」を言語化するプロセスそのものが、セルフリフレクションの装置になっていく可能性を含んでいる。
NotebookLM
Googleが提供する、ユーザーがアップロードした資料をもとに要約や質問応答などを行うリサーチ/ライティング支援ツールである。
Chat customization
NotebookLMのチャットに対して話し方や役割、ゴールなどをテキストで指定し、応答スタイルをカスタマイズするための機能である。
Persona(ペルソナ)
AIに与える架空の人物像や役割設定のことを指し、職種や性格、判断基準を詳細に記述することで、AIの振る舞いを制御するために用いられる概念である。
Decision Memo
意思決定の背景となる事実、選択肢、推奨アクションなどを整理したメモ形式で、プロダクトマネージャーなどが社内調整に利用するドキュメントスタイルを指す。
NotebookLM(Google公式)(外部)
Googleが提供するAIノートツールで、資料の要約や質疑応答などを行える研究・学習向けサービスである。
Google 企業情報(外部)
検索や広告、クラウド、AIなど多様なサービスを展開するテクノロジー企業の公式コーポレートサイトである。
Google Labs(外部)
NotebookLMを含む実験的AIプロジェクトへのアクセスや概要説明がまとめられたGoogleの公式サイトである。
NotebookLM adds custom goals, upgrades performance(外部)
NotebookLMのカスタムゴールやペルソナ機能の拡張、エンジン改善の方向性を説明するGoogle公式ブログ記事である。
NotebookLMの10,000文字ペルソナを見ていて感じるのは、「どんなAIを使うか」より「自分はAIにどうあってほしいか」を言語化するフェーズに入ってきたということです。
もし、あなたの仕事や学びの中で「こんな相棒がいてくれたら」と思う像があるなら、それを書き出してみるだけでも、自分のスタイルが少しクリアになるかもしれません。どんな役割の“もう一人の自分”をNotebookLMに託してみたいか、ぜひ考えてみてください。
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