科学技術館(東京都千代田区)は2026年1月15日から27日まで、企画展「ゴジラサイエンス展 ~脅威に科学で立ち向かう~」を開催する。1954年の誕生以来、核や環境問題、災害といった時代ごとの社会不安を映し出してきた「ゴジラ」を題材に、防災・減災や未来科学への理解を深める体験型展示として注目される。
本展は、「もしゴジラが現れたら?」という想像を入口に、自然災害や科学技術の役割を“自分ごと”として考える構成が特徴だ。展示は①ゴジラ作品から科学技術の進歩を読み解くゾーン、②怪獣の脅威を自然災害に重ねて体感する防災科学ゾーン、③映画に登場する対ゴジラ兵器と現実の防災ロボットを比較するゾーン、④大怪獣と未来社会をテーマに科学の可能性と課題を考えるゾーンの4部構成となっている。
強風体験や地震体験、災害復旧現場で活躍する重機の実機展示など、体感型の学習要素を多く取り入れており、理科や社会、防災教育との親和性が高い点も教育関係者から関心を集めそうだ。さらに、全館を巡るクイズラリー形式の「ゴジラサイエンス検定」や、研究者・映画制作者によるサイエンス講座も実施される。
監修には東宝、科学考証には広島大学名誉教授の長沼毅氏が参加。特撮と科学を橋渡しする内容設計により、単なるキャラクター展示にとどまらない“学びの場”を目指す。主催する日本科学技術振興財団は、「エンターテインメントを通じて科学リテラシーを高め、未来の安全・安心な社会を考えるきっかけを提供したい」としている。
世代を超えた共通言語であるゴジラを通じ、子どもから大人までが科学と社会課題を考える本展は、学校の校外学習や探究学習、STEAM教育の題材としても活用が期待される。教育とエンターテインメントを融合させた新たな科学教育モデルとして、その動向が注目される。
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