
インド新・再生可能エネルギー省(MNRE)は、国立太陽光エネルギー研究所(NISE)と日本のトヨタ自動車のインド法人であるトヨタ・キルロスカ・モーター(Toyota Kirloskar Motor)社が、水素燃料電池電気自動車(FCEV)を用いたモビリティ分野の実証実験に向けたパイロットプロジェクトを開始したと発表した。
本プロジェクトでは、トヨタ社の水素燃料電池車「ミライ(Mirai)」がNISEに引き渡され、今後2年間にわたり、インド特有の道路・気候条件下で実証評価が行われる。高温、粉塵、渋滞、多様な地形といった環境で走行データを収集し、水素モビリティを全国規模で展開するための技術的知見を蓄積する狙いだ。
プラルハド・ジョシ(Pralhad Joshi)新・再生可能エネルギー相は、グリーン水素は将来のエネルギーシステムの基盤として世界的に台頭していることを強調し、今回の産学官連携により、イノベーション、産業ノウハウ、科学的検証が結び付くと述べた。また、水素燃料電池車は走行時に水のみを排出するクリーンで静粛な輸送手段であり、世界では自動車だけでなく、バスやトラック、鉄道、船舶、定置型電源にも応用が広がっていると説明した。同相は自らミライを運転し、水素モビリティがインドの条件に適していることを示したいと語る。これはエネルギー自立を目指す「Energy Aatma Nirbharta」や、インドが掲げるパンチャムリット気候行動計画とも整合するとした。
シュリパド・イェッソ・ナイク(Shripad Yesso Naik)新・再生可能エネルギー担当国務相は、2023年1月に開始された国家グリーン水素ミッションの下で、インドはエネルギー転換において前例のない進歩を遂げていると評価した。NISEによる実地評価は、水素を利用したクリーン輸送の普及や大気質改善、持続可能な開発に貢献すると期待している。
ミライは第2世代のFCEVで、水素と酸素の化学反応により発電し、航続距離は約650km、燃料補給時間は5分以内で、世界で最も先進的かつ効率的なゼロエミッションモビリティソリューションの1つとされている。
(出典:いずれもPIB)
(2025年12月11日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
参考サイト(外部サイト):
● インド政府報道情報局(PIB)
https://www.pib.gov.in/PressReleasePage.aspx?PRID=2202227
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