「撮りながら作る」 テクノロジーが変える映像制作の現場 – Science Portal Asia Pacific


 映像撮影において、一面に銀世界が広がる大地から、色鮮やかなネオンが輝く都市へと場面の切り替えを行うには、どれくらいの時間を必要とするだろうか。中国重慶市永川区の撮影スタジオの答えは「1秒」だという。人民日報が伝えた。
 このスタジオを運営する重慶達瓦合志影像科技有限公司の張靖副総経理は、「以前なら、美しい夕日のシーンを撮影するため、撮影チームは山の中にまるまる1週間こもらなければならないこともあった」と振り返り、「これまで撮影は運任せだったが、今はテクノロジー頼りだ。この800平方メートルの円形の大スクリーンでは、光や影、天気、地形などを自在に変えられる。ポストプロダクションのVFXを撮影スタジオ内で完結させる発想だ」と語った。
 効率が大幅に高まったことは、制作コストにも直結している。
 張さんは、「ポストプロダクション段階で大規模なグリーンバック処理を行う必要が減り、特殊効果の制作を撮影現場で同時進行できるため、制作期間を約4割短縮でき、コストも3割程度削減できる」と説明した。さらに、「セットについても、以前は大勢の作業員が数日かけて組んでいたが、産業化されたセットプラットフォームを使えば、40分ほどでスムーズに切り替えられる。映画・ドラマ業界では時間が命だ。特殊効果を撮影段階に前倒しするという発想の転換が、『熊猫計画(パンダプラン)』や『狂野時代』といった作品を永川区に呼び込む決め手になった」と述べた。
 撮影スタジオでは、最先端のスクリーンを活用して屋外シーンをスタジオ内で再現できるほか、作品制作に関わる工程を永川区内で一体的に進めることも可能だ。同区には映像関連企業が160社以上集積し、LEDディスプレイの研究開発から、AIデジタルヒューマンのモデリング、専門人材の育成に至るまで、制作を支える体制が整いつつある。永川区は、茶畑や竹林が広がる「茶山竹海」で知られてきたが、近年は上海協力機構(SCO)加盟国が参加する映画祭の開催などを通じて、100本超の作品が手掛けられる西部のテック映像拠点としても知られるようになっている。
(画像提供:人民網)

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