科学技術立国からの転落は起こるべくして起こった|辻村豊 – mbp-japan.com


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テーマ:研究開発のヒント
皆様方、お世話になっております。日々雑感を綴っております。

前回、『地元新聞社のイベントで』のところで、地元新聞記者が講演をしたことを申し上げました。
(車窓を眺める(2))
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5216781/
実のところ、新聞記者の講演はオマケでした。
まず、『「広報PRで踏み出す最初の一歩~兵庫・関西から熱量を届けるストーリーの作り方』がタイトルでした。
そして、『中小企業こそ「ストーリー」で勝負する。自社の強みを見つける「棚卸し」ワーク』という題で講演した先生がいました。イベントのタイトルと照合しても、この先生がメインということは一目瞭然でした。講演後にご挨拶した際にも感じたのですが、この先生は非常に謙虚で物事を幅広く、深く考えていることも良くわかりました。この先生には不躾な事かとは思いますが、講演の中身を極めて簡単に言えば、『広報PRは単発的な言葉だけを発するのではなく、ストーリー性を持たせるべき』ということだったと解釈しております。

ただ、講演を聞いて、強い違和感を覚えました。
今回の講演だ聞いた『ストーリー性を持たせる』は、言い換えれば『物事には手順がある』『起承転結がある』『論理的に筋が通っている』といったことでは?と思います。実はこのようなことは既に遅くとも大学院生の頃には叩き込まれていたことです。
研究報告書も、例えば『背景と目的』『内容』『結果』『考察』『今後について』『結論』という項目を設けます。これは正にストーリーを作っていることになります。こんなことは、若輩者だったころに嫌という程学んだことに過ぎないものでした。
それをいい歳をした会社経営者などを集めてわざわざ講演会をやり、それを金科玉条のように聞いている人たちの姿は非常に奇異なものに感じました。
もちろん、世の中にはそのような需要があり、講師の先生もその需要に向き合い、あの手この手と工夫をして『ストーリー性を持たせる』という表現に至ったことは素晴らしいことと思います。
しかしながら、以前申し上げたロジカルシンキングをビジネスマンが金科玉条としていることと同じ現象であり、今更感が強いものでした。
(社会人とは?)
https://mbp-japan.com/hyogo/banyohkagaku/column/5213028/

なぜこのような現象が違う場所で起こるのでしょうか?答は簡単だと思います。
結局、この国が『科学技術を軽視し続けて来た』からでしょう。
私が卒業した高校でも、大多数の生徒が『私立文系』というカテゴリーで理数系科目を極力勉強しない状態でした。その現象は一部の進学校を除いて、世の中津々浦々同じと感じます。その結果、多勢に無勢で、理数系の声は世の中に反映されなくなります。


この『科学技術が軽視され続けている』、私が卒業した三流高校のみならず、真逆な場所でも発生しております。象徴的なお話がございます。前職時代、東京大学工学部と共同研究することがありました。ある時、教員の方々の深い嘆きを聞くことがありました。東京大学工学部というところは、卒業生が製造業など技術を生かした職ではなく、商社や広告業など、学業とは無縁の事務屋ばかりに就くそうです。国家予算の巨額を投じている大学にもかかわらず、教育したことが全く活かされていないそうです。
そして、最近、とある展示会に行き、東京大学のIT系のブースにも立ち寄りました。ブースの展示内容は完全に科学技術でした。しかしながら、『どうせ技術系には行かないだろう』と思ったので、そこにいた学生に聞いたところ、案の定『行かなぁ~い』でした。その平然とした姿には強い嫌悪感を抱いてしまう程でした。
もちろん、職業選択の自由は憲法22条によって保障されております。しかしながら、事務屋ばかりに超高額な給料を設定するような社会を作り上げたのは誰なのでしょうか?科学技術立国からの転落、復帰もほぼ絶望的な世の中は、作られるべくして作られたと言っても過言ではないでしょう。
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