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科学技術による経済発展にかじを切っている中国では、中央国有企業(中央企業)が一定の役割を果たしている。
中央企業とは、中央政府の管轄管理下にある国有企業で、国有資産監督管理委員会が出資する企業は100社である(金融・文化などを除く)。ちなみに、2025年末の総資産は約95兆元(約2090兆円)で、第14次5カ年計画(21〜25年)期間中の増加率は年平均6.9%である。中央企業の労働生産性は、同じ期間に1人当たり年59.4万元から同83.6万元に増加し、年平均増加率は7.1%である。
科学技術面では、同期間中の中央企業の戦略性新興産業(次世代情報技術、新エネルギー、新素材、新エネルギー車等)における投資は累計で10兆元を超える。また、国有資産監督管理委員会によると、25年の中央企業の研究開発投入は1.1兆元、4年連続で1兆元を超えている(25年の中国全体の研究開発は3.9兆元)。
今年から始まった第15次5カ年計画も、中央企業は伝統産業においてDX(デジタル転換)やAI(人工知能)により高度化を進め、また、新興産業と未来産業の育成を進める。具体的には、新興産業に加え量子技術、ロボットなど物理的な身体を持つ「エンボディードAI」、バイオ製造、グリーン船舶、6G(第6世代移動通信システム)などの最先端分野にも取り組む。
最近の中央企業関連の動きを見ると、今年1月に国家電網(国営送配電会社)が、第15次5カ年計画期間中に4兆元投資すると発表した。第14次に比べ40%の増加である。電力ネットワークの脱炭素化を進める「グリーントランスフォーメーション」の高度化を図る。また、国家電網は、傘下の研究機関(国網電科院)や関連企業の連携を通じて、科学技術革新を産業での応用につなげている。
また、25年10月に中央企業戦略性新興産業発展専項基金の設立が発表されている。中国石化をはじめとする中央企業が出資する(当初規模510億元)。投資先は、戦略性新興産業と未来産業である。中国の弱みである半導体集積回路などの自前化を図る意図もある。投資から資…
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