研究開発改革へ最終報告書 豪政府 – spap.jst.go.jp


オーストラリア政府は、2024-25年度予算で実施された研究開発の戦略的検証 (Strategic Examination of Research and Development: SERD) の最終報告書を公表し、低迷する研究投資や産業連携の課題解決に乗り出した。報告書は、6つの重点領域で20の改革案を提示し、研究成果を経済成長や新産業創出につなげる仕組みの再構築を提言している。
この発表を受けて、主要研究大学で構成されるグループ・オブ・エイト(Go8)は声明で、現行の研究開発体制は投資の減少や制度の断片化により機能不全に陥っていると指摘し、「大胆な改革が不可欠だ」と訴えた。特に、研究資金の長期的・安定的な確保や産業界との連携強化、人材育成への継続的投資が急務であり、政府に対し迅速な政策実行を求めている。
また、オーストラリア科学アカデミーも、今回の報告を「一世代に一度の改革機会」と位置付け、早期の実行を強く要請した。単発的な資金措置ではなく、10年規模の国家戦略として研究開発投資を拡大し、研究者のキャリア基盤や先端インフラの整備を進める必要があると強調している。さらに、政府意思決定への科学的助言の組み込みも提案した。
背景には、豪州の研究開発投資が長期的に低下し、国際競争の中で遅れを取りつつあるとの危機感がある。報告書は、研究と産業の結び付きの弱さや資金の分散といった構造的課題を指摘し、より戦略的で一体的な政策運営への転換を求めた。政府は現在、これらの提言の検討を進めており、今後の予算編成や政策決定にどのように反映されるか、注目される。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
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