
2026年4月13日から19日は「科学技術週間」です。
「科学技術週間」は、科学技術について広く一般の方々が理解と関心を深め、日本の科学技術の振興を図ることを目的として昭和35年2月に制定されました。
毎年4月18日の「発明の日」を含む1週間(月曜日に始まり日曜日に終わる)は「科学技術週間」と定められています。
また、この期間にあわせて文部科学省が毎年発行する「一家に1枚」ポスターは、2005年の第1弾発行から20年以上の歴史を刻んできました。
そこで本記事では、記念すべき12枚目の「水素」(2016年度)のポスターについて、その内容を詳しくご紹介します。
なお、このポスターは、高エネルギー加速器研究機構・物質構造科学研究所教授の大友季哉 さん、講師の宇佐美徳子さん、広報コーディネーターの餅田円さん・大島寛子さんが制作に携わりました。
※投稿の画像は【写真】をご参照ください。
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出所:文部科学省 科学技術週間「一家に1枚」
今回ご紹介するのは「水素」ポスターです。
『一家に1枚』シリーズポスターの第12弾である「水素」は、最もシンプルな構造をした元素となる水素について説明するポスターです。
ポスターの見どころについて詳しく解説します。
ポスターでは、「水素」について詳しく説明しています。
水素は原子番号1番で、陽子1個、電子1個から成る最もシンプルな構造をした元素です。
電子をやり取りしやすく、陽イオンや陰イオン、水素同士や他の元素と結合して分子を作るなど、変幻自在に利用できる元素となります。
宇宙で最初に作られた元素である水素は、星間物質、恒星、エネルギーへと姿を変え地球に生命を誕生させました。
そんな水素ですが、現在ではさまざまな場面で利用されています。
生体内では、重量で約2/3を占める水として存在し、DNAやタンパク質、脂質など生体物質の材料であり、プロトン(H+)としても存在し生命活動を担っています。
物質材料でも、表面の酸化保護、不純物除去などに水素を利用。変幻自在な性質を巧みに利用した機能性材料の創製など、水素を観測する技術の発展とともに、積極的に利用する研究が展開されています。
生活に欠かせない元素となり、ポスターでは実際にどんな場面で水素を活躍しているか解説しました。
ポスターでは、広い時空間にわたって存在する水素をイラストなどで表現し、未来につながる「水ー水素サイクル」を示しています。
社会経済活動の根幹を担っている化石燃料もまた、元をたどると太陽で作られた水素の核融合による光エネルギーです。
太陽光は、地球上の全ての生物が得ることができる唯一のエネルギー源で、植物などの光合成により有機物へと変換。何億年という時間を経て、有機物は化石燃料へと変貌し、人類はエネルギーとして利用し生活を豊かにしてきました。
近年、クリーンエネルギーを担うエネルギー媒体としての水素が注目されています。
二酸化炭素を排出しない利点が謳うたわれる一方で、水をベースとした水素サイクルの実現には課題がまだ多く残っているのも事実です。
これら全ての構成要素を統一感あるものに仕上げるため、全体を柔らかいイラストタッチでまとめました。
そして時空間を変遷していく水素を示すべく、流れを矢印で表しています。宇宙、生命、物質、エネルギーなど、どこから見ても読み応えのある内容に仕上がっています。
2016年は、英国の科学者ヘンリー・キャベンディッシュが水素を発見して250年の節目でした。
そして、ポスターが作られた当時は、化石燃料依存から水素社会へシフトしようとする大きな転換期。
そこで、多くの人が水素の科学に触れ、一人一人が水素社会について考えること、そして水素科学のフロンティアに気付き、関心を持ってもらえるようポスターを制作したそうです。
ポップなイラストも使用され、細かい説明も書かれているポスターなので、子どもが見ても理解しやすくなっています。親子で見ながら勉強するのに最適です。
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〇〇〇〇〇/shutterstock.com
いかがでしたでしょうか。
「水素」は、詳しく知らない人が多い水素の動きについて、わかりやすく解説する貴重なポスターです。
ポスターは、文部科学省の「一家に1枚」ホームページからダウンロードできるようになっています。
ぜひ印刷して掲示し、眺めて、学んで、科学のたくさんの魅力を発見してみてください。
くらしとお金の経済メディア LIMO(リーモ)