[新連載]新卒は必要か ENEOS・クボタ・大和ハウス、採用大幅減の真意 – 日経ビジネス電子版


AI時代、「採用減る」が4割 新卒は必要か
2026年4月13日号
新卒は必要か
#1
Risa Fujimoto
日経ビジネス記者
Akiho Fujiwara
日経ビジネス記者
ENEOS・クボタ・大和ハウス、脱・大量採用へ 「新卒厳選・中途拡大」の大潮流
JALは新卒の4月一斉入社を見直し 富士通「もう数の議論はしない」
総合商社・金融大手、専門性高める 「AIが代替しない」職務、自らつくる
データが解き明かす「現場の苦悩と未来」 「AIで新卒採用減」4割が見込む
替え玉受験などの不正も防ぐ 「AI×ヒト」、公平性と機会を増やす
米国、9割が「新卒採用を避ける」 18カ月プログラムで入社率99%
学生側にも変化、じわり広がる「新卒×派遣」 「究極のジョブ型」でキャリア磨く
今こそ「採る」から「見極める」へ さらば「数」合わせ 「質」が未来決める
※この記事は、公開から数時間限定で登録会員(無料)もお読みいただけます。詳しくはこちら
 「今度の採用から大幅に減らすのは絶対命令。よっぽど優秀な人材でないと採用するなと人事部に言っている」
 SBIホールディングス(HD)の北尾吉孝会長兼社長は2026年3月に登壇したイベントで、人工知能(AI)の活用を進めることで採用を大幅に抑制する方針を明言した。SBIHDのようなAI活用に積極的な企業では特に、新卒採用を見直す動きが顕著だ。
 新卒学生の人材紹介を手掛けるアカリク(東京・渋谷)が25年10月に公表した調査によると、組織的なAI活用を推進する企業の約9割が新卒採用の戦略や方針を見直しており、約6割が採用人数を削減したことが分かった。
 アカリクの山田諒代表は「採用を充足できなかった企業が、人手不足をきっかけに業務の効率化を進めた結果、従来必要としていた人員を穴埋めできるようになり、採用人数の縮小につながるケースが増えている」と指摘する。
 リクルートワークス研究所の調査では、26年卒の大卒求人倍率は1.66倍で、小幅ながら4年ぶりの低下に転じた。若年人口の減少を背景に新卒獲得競争は激しさを増す一方、足元では新卒の大量一括採用から厳選採用へとかじを切る企業が目立ち始めており、学生優位の「売り手市場」に変化の兆しが出てきた。
 「新卒を大量に一括採用して、ぜいたくに使う余裕はもう許されない。今後は戦略的に厳選採用する」──。そう語るのは、ENEOS HDの布野敦子・最高人事責任者(CHRO)だ。同社は、主要グループ会社の事務系やIT企画、一部の技術職で27年卒の新卒採用を見送る。その1社、ENEOSでは約2割減らす。ただし、「インフラを支える事業として、安定した採用は必要だ」(布野CHRO)とし、生産現場などの新卒採用は継続する。
 厳選採用に伴い、入社後の育成方針も見直す。これまでは採用後に配属先を決めて、異動もしながらゼネラリストを育てていた。今後はポジションに応じたプロを育成する方針に転換する。そのためには業務の進め方を抜本的に見直し、人材要件を精査する必要がある。まずは既存社員のスキルとポジションを精査し、新卒と中途採用の配置を見極める考えだ。
 クボタも27年卒の新卒採用で、前年の455人から約4割減らして280人とする計画を発表した。中でも事務系と技術系に分かれる大学・大学院卒では、前年の239人から約7割減らして60人に抑える。
 太田旬治CHROは「26年2月に発表した中期経営計画に基づき、経営資源の選択と集中を採用戦略に反映した結果だ」と狙いを語る。
 同社は事業拡大期の21年から25年にかけて例年を上回る規模で中途も含めて採用数を増やしてきたが、今後は成長をけん引する事業に既存社員を重点配分するなど、人材の流動化も同時に進める。
 26年1月には人財開発室を人財開発部に改編し、すべての事業部門にHRBP(人事ビジネスパートナー)を配置するなど採用体制を見直した。太田CHROは「今後は採用の数よりも質にこだわる」と言い、採用から育成まで一貫して対応できる体制を強化する。
テキストサイズ
12票
20票
16票
日本特有ともいわれる新卒の大量一括採用は、時代に合わなくなりつつある。新卒が担ってきた業務…
シリーズをフォロー
藤本 莉早
2026.04.10
製品を作って売り、使い終わったら廃棄する事業モデルが転換点を迎え、サーキュラーエコノミー(循環経済)への移行が本…
シリーズをフォロー
改正物流効率化法の施行で、今春以降に3000人規模の最高物流責任者(CLO)が誕生する見込みだ。CLOは物流効率…
シリーズをフォロー
「自分は社長の器なのか」と悩んだことは、誰しもあるだろう。では一体、社長の器はどのような構成要素で出来ているのか…
シリーズをフォロー
「ESGグローバルフォーキャスト」は、ESG(環境・社会・企業統治)の専門誌「日経ESG」がオープンした、世界の…
シリーズをフォロー
生成AI(人工知能)は、経営資源の制約が多い中小企業にとって、成長を支える必須ツールとなった。社長自身が「何がで…
シリーズをフォロー
経営破綻はいつ、どのように起きたのか。回避する道はなかったのか。毎回1社の中堅中小企業を対象に、破綻に至った要因…
シリーズをフォロー

2026.04.09

2026.04.08

2026.04.09

2026.04.10

2026.04.10

2026.04.10

2026.04.10

2026.04.09

2026.04.10

2026.04.09
日本企業の採用活動が大きく変化している。新卒の大量一括採用は、時代に合わなくなりつつある。背景には少子高齢化による新卒の減少や慢性的な若手不足に加え、新卒が担っ…
ハゲタカ・鷲津政彦が8年ぶりに帰ってくる!小説家・真山仁氏の人気シリーズ「ハゲタカ」。2018年刊行の前作『シンドローム』に続く、待望の第6弾。
有料会員は、この記事を無料で
読めるURLを知り合いに贈れます(詳細
記事一覧
雑誌一覧
日経ビジネス電子版
SNS
Copyright © Nikkei Business Publications, Inc. All Rights Reserved.

source