
東京コンテンツインキュベーションセンターがIPビジネスのスタートアップ10名が競う最終選考会を開催し、AIや映像技術など革新的プランを発表する。
TCIC
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東京都の創業支援施設「東京コンテンツインキュベーションセンター(TCIC)」は、2026年3月11日(水)、コンテンツ分野のスタートアップを対象としたビジネスコンペティション「TCIC IP INNOVATION AWARD(TIIA)2025」の最終選考会をTokyo Innovation Base(千代田区丸の内)にて開催する。
本アワードは、独自のIPや最新技術を活用してビジネス拡大を目指すスタートアップを発掘・支援するプログラムだ。勝ち抜いたファイナリスト10名による公開プレゼンテーションが行われ、最優秀賞には賞金300万円が贈られる。
映像・エンターテインメント業界関係者にとって、本イベントの大きな目玉となるのが、キーノート・トークセッションである。ゲストには、株式会社K2 Pictures代表取締役CEOの紀伊宗之氏が登壇する。
紀伊氏は東映在籍時代、『孤狼の血』シリーズや『シン・エヴァンゲリオン劇場版』(配給)、『シン・仮面ライダー』(企画・プロデュース)など、記録的ヒット作や話題作を次々と手掛けてきたプロデューサーだ。2023年にK2 Picturesを創業し、新たな映画製作のエコシステム構築に挑んでいる同氏が、「映画ビジネス変革の時代を考える」をテーマに語る。
ファシリテーターは、TCICプログラムディレクターであり、元角川映画で海外事業等を統括した川野正雄氏が務める。既存の枠組みを超えた資金調達や製作手法が求められる昨今の映像産業において、最前線の知見が共有される場となりそうだ。
最終選考に残った10名のファイナリストは以下の通り。いずれも従来のコンテンツビジネスの枠を拡張する意欲的なプランを掲げている。
今泉 潤(株式会社Amane) 映画の没入感とゲーム性を融合した「操作する映画(gameMovie)」という新ジャンルを創出。短時間完結型SRPGとしてSteamでの世界展開を見据え、低コスト・高収益な新たなゲームモデルの確立を目指す。
小林 大河(株式会社日本XRセンター) フリーローム型VRアトラクションや常設型XR施設を展開。自社IPの稼働に加え、大手コンテンツプロバイダーとの提携やフランチャイズ化による高い実装力で、国内外市場への拡張を図る。
谷口 昌優(株式会社SlowFast) 自社IP「くつにゃん」を活用し、サイズアウトした子ども靴を回収・リユースする循環型サービス。IPを体験価値として活用することで、社会課題の解決と事業性の両立に挑む。
張 辰飛 設定に基づきAIがキャラクターの会話・行動・物語をリアルタイムに生成・制御する開発プラットフォーム「Anima Sphere」を提案。プレイヤーの選択で変化する没入型ゲーム体験の基盤を提供する。
三川 裕一郎(株式会社Kaguya) 潜在力の高い「ポテンシャルIP」の権利を取得し、AI学習により世界観を監修・展開。属人化や後継者不足といった課題を解消し、未開拓領域へのライセンスビジネスを加速させる。
水口 大樹 「声色(音色)」を解析して操作入力に変換するIPプラットフォーム「Physical Voice Engine」を開発。アプリ「声キャラ診断」を起点に、声で遊ぶ新しいエンタテインメントジャンルの創出を狙う。
村上 萌(合同会社ピクニックスタジオ) 宿泊体験を起点に「暮らしの世界観」をIP化するライフスタイルブランド「PICNIC MOTEL」。物語性のある体験提供から、住宅・EC・ライセンスへと展開する共感型ビジネスモデル。
山田 真理子(株式会社Creadom8) デジタル悪霊を討伐するグローバルバトルファンタジーIP「デジアクナイツ」。多国籍キャラクターと参加型世界観を軸に、国境を越えたクロスメディア展開を目指す。
渡邉 裕美 音楽クリエイター向けに高品質なリリックビデオを自動生成するSaaS「Lyric Motion」。AIによる最適なマッチングで制作コストを削減し、次世代のクリエイターエコシステムを構築する。
渡部 恭己(フツララ合同会社) 「失踪した科学者の施設で謎の生命体を培養する」コンセプトの3Dアドベンチャーゲーム「Culture House」。高い技術力と世界観構築を強みに、小説・コミック・映像への多角展開に取り組む。
当日は一般観覧も可能となっており、新たなIPホルダーとの提携や出資を模索する映像関連企業にとってもネットワーキングの機会となるだろう。
開催概要
TCIC IP INNOVATION AWARD(TIIA)2025 最終選考会
日時: 2026年3月11日(水)17:00~21:00(予定)
会場: Tokyo Innovation Base 2F STAGE(東京都千代田区丸の内3-8-3)
内容: キーノートセッション、ファイナリスト10名によるピッチ、表彰式、ネットワーキング
賞金: 最優秀賞300万円(1名)、優秀賞150万円(2名)ほか特典あり
主催: 東京コンテンツインキュベーションセンター(運営:株式会社ツクリエ)
観覧申込: https://tiia2025-final.peatix.com
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杉本穂高