
映像配信サービスの競争が激化する中、U-NEXTは独自のIPビジネス戦略で差別化を図っている。OTTプラットフォームを運営しながら、強化しているのが出版・書籍ベースのIP開発だ。なぜ、いま出版由来のIP開発に注力するのか。「IPを育てる」という本質と成長戦略を堤社長に聞いた。
U-NEXT 代表取締役社長 堤 天心氏
──2024年10月、U-NEXTはMAXと連携し、日本の実写ドラマのグローバル配信を強化しています。手ごたえはどうですか。
MAX内で日本の実写映画・ドラマがリリースされて丸1年ほど、予想以上の視聴実績が出ているのが正直なところです。特に南米エリアでかなり日本のドラマが見られていることが明らかになりました。日本のドラマにも十分な国際的ポテンシャルがあると感じています。
とはいえ、実写ドラマの国際的評価向上は、業界挙げてのチャレンジテーマだと思っています。アニメは既に世界的な地位を確立していますが、実写からIPビジネスをどうスケールさせ、副次的なビジネス展開をするかは、非常に強く模索していくべきだと考えています。
──アニメ・実写問わず、日本のIPが世界で戦うために必要なことは何だと思いますか。
もし政府がコンテンツ産業を本気で伸ばすなら、まずやるべきはパイレーツ対策ではないでしょうか。川上の産業振興ではなく、川下の流通健全化です。海外の違法サイトでは、日本のアニメ作品がすぐに出回る現状があります。世界中で人気が高い日本のIPが、単価を上げづらくしている一因も海賊版でしょう。
ハリウッドは民間の自主努力から国レベルまで、徹底してパイレーツ撲滅に取り組んできた歴史があります。他にも、ディズニーのドラマや映画はパイレーツサイトにあまり出回らないですよね。でも日本のアニメ作品は、海外の違法サイトに行くとすぐ出回っている。
──適切な場所でしか視聴できないようにする仕組みと、適正な価格で流通させることが必要だと。
はい。そこを徹底するだけで、日本の IPビジネスは一気に変わると思います。パイレーツ対策が進めば、プラットフォームに対する売り手(IPホルダー)としての交渉力も向上するはずです。
日本のIPビジネスの失われた利益が何兆円という規模で回復するのではないかと見込んでいますね。IPの創出や川上の産業振興だけではなくて、川下の流通健全化だけで一気に変わると思います。そこで人気が出れば、プラットフォームに対する売り手としての交渉力が上がるのではないでしょうか。
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