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人類は誕生以来、食べ物の腐敗と戦い続けてきた。腐らせずに保存する技術は食に革新をもたらし、文明の発展と近代化に必須の生存戦略となった。
肉や野菜は日がたつと腐って食べられなくなる。細菌などの微生物が増殖し、食品中の物質を食べて変質させるからだが、そもそも腐敗はなぜ起きるのか。それは食べ物がもともと生き物だからだ。
生き物の体には多くの微生物がいる。普段は免疫などの防御システムが働いて増殖を防いでいるが、死ぬとこの仕組みが失われて微生物が一気に増殖する。つまり腐るのだ。肉は死んだ生き物の体なので、必然的に腐るのである。
狩りの技術が未熟だった太古の人類は、肉食獣が食べ残したり、病死したりした動物の死骸を食べていた。腐っていて食中毒や感染症にかかり、命を失うことも多かった。
静岡理工科大の宮地竜郎教授(食品微生物学)は「人類が臭いにおいや、酸っぱい味を嫌悪する感覚を持っているのは、腐ったものを避けることが生存に有利だからだ。それだけ腐敗が身近な存在だったことを示している」と話す。
肉を干したり、塩漬けにして水分を抜いたりすると腐らないことは古くから知られていた。微生物が生きるのに必要な水を奪うからだが、科学的知識がない古代人はこうした知恵をどのように得たのだろうか。
東京家政大の宮尾茂雄客員教授(食品微生物学)は「砂漠で死んで干からびたり、死海のような塩湖で溺れて塩漬けになったりした動物は腐らないことを偶然知ったのだろう。それが食品の保存技術につながったのではないか」と推測する。
古代エジプトでは肉を干すなどの保存法が知られ、それはミイラの製法とも関係があった。遺体を塩漬けにして乾燥させた後、油を塗って布を巻き付け空気を遮断すると、微生物の増殖を抑える効果があった。人が死ぬと腐敗するのは、食品の腐敗と同じ現象だと気付いていたのだろう。
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