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2026年5月3日(日)
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深刻化する気候変動やノーベル賞、原発を巡る最新の情報など、最前線で取材する担当記者が複雑な科学技術や環境の問題を深く、分かりやすく分析してお届けします。
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深層サイエンス
「忘れるためにメモを取る」。矛盾しているように思える行動も、大阪大が設立した新たな研究分野「認知行動工学」に照らせば、ミスを防ぎ、効率を上げる合理的な解決策になるという。入学や入社による新生活がスタートして間もないこの時期は、「五月病」など環境の変化による心身の不調に注意が必要だが、どうすればストレスを軽減し、よりよいパフォーマンスを発揮できるのか。平井啓教授(健康心理学)に話を聞いた。
――認知行動工学とはどのようなものですか。
◆行動経済学や社会心理学、公衆衛生学、産業科学の知見を統合し、社会全体の課題解決や健康な人々のパフォーマンス向上への応用に特化した学術領域です。元々は、がん患者やその家族の不安を軽減したり、がん検診の受診率を上げたりする認知行動変容を研究してきましたが、それをもっと広げました。背景には、従来の認知科学・行動科学の研究成果が学術的な発表にとどまり、実社会に生かされにくいことがありました。
――具体的にはどのような例がありますか。
◆研究プロジェクトの一つに「医療現場の行動経済学」があります。ポイントは、患者さんと医療者では「見えている世界が違う」ということです。これはまさに「認知が違う」ことを意味し、上司と新入社員に置き換えても同じです。
業務経験を積んだ医者(上司)はだんだん俯瞰(ふかん)で全体像が見えてきますが、患者(新入社員)はそうではありません。そのことを理解せずに、左へ進めなどと指示すると、すれ違ってしまう。そのメカニズムを解き明かすことで、すれ違いを解消し、パフォーマンス向上にもつなげるわけです。
――「メモの取り方」や「時間管理」についても、実践的なスキルを提示されています。
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