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【これはnoteに投稿された碇邦生(九州大学ビジネス・スクールQBS/合同会社ATDI)さんによる記事です。】
サッカーのワールドカップ北中米大会で、アジア勢がベスト16で姿を消した。 日経電子版に掲載された共同通信の記事は、「アジア全滅 16強ならず 欧州7、南米4残る」という見出しで、この状況を端的に伝えていた。今大会は出場国が32から48に拡大され、アジアからは9チームが出場した。しかし、1次リーグを突破したのは日本とオーストラリアのみ。両国とも決勝トーナメント初戦で敗れ、アジア勢は16強で姿を消した。 【(サッカーW杯2026)アジア全滅 16強ならず 欧州7、南米4残る】 ※ここに貼られていた記事のURLは【関連記事】に記載しています 日本代表については、大会前から「史上最強」「過去最高のチーム」という評価が多く見られた。実際、日本代表のレベルが上がっていることは間違いない。欧州主要リーグでプレーする選手は増え、戦術理解も進み、選手層も厚くなった。 ただし、今大会を眺めていると、日本だけが「過去最高」と言われていたわけではないことに気づく。 今大会の出場48カ国について、現地主要メディアや協会関係の発信、国際メディアでの語られ方を暫定的に整理したところ、少なくとも12カ国が「黄金世代」「過去最高」「史上最強クラス」に近い表現で語られていた。
各国メディアでの自国代表の評価
つまり、48カ国中12カ国、広く「自国史上最高級の物語」を持つ国まで含めれば20カ国以上が、何らかの形で「今回は特別だ」と語られていたことになる。 これは単なるメディアの煽りではない。 かなりの部分で、実態を伴っている。 問題は、実態を伴っているからこそ、判断を誤りやすいことである。
企業でもよく似た言葉を聞く。 「過去最高の売上を達成した」 「過去最高の採用ができた」 「過去最高の商品ができた」 「過去最高の研修制度を整えた」 「過去最高のDX投資を行った」 もちろん、これらは重要な成果である。組織が以前より良くなっていることは、軽視すべきではない。 しかし、意思決定の観点から見ると、これらは基本的に「自社の過去」との比較である。市場で勝てるかどうかを判断するには、別の問いが必要になる。 競合他社も同じように成長していないか。 顧客の期待値はそれ以上に上がっていないか。 業界全体の最低基準が引き上がっただけではないか。 自社の強みは、実際に顧客が選ぶ理由になっているのか。 ワールドカップでいえば、「日本代表は過去の日本代表より強い」という評価は、おそらく正しい。しかし、それだけでは「ブラジルに勝てる」「ノルウェーに勝てる」「モロッコやスイスより上に行ける」とは言えない。 なぜなら、相手もまた強くなっているからである。
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