【ビジネスチャンス】全国で増える「陸上養殖施設」…県内も国内最大級施設お目見えや異業種参入など活発化…背景は(静岡) – Yahoo!ニュース


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全国で増えている陸上養殖施設。静岡県でも近年日本最大級の巨大な養殖施設ができたり異業種が参入したりと動きが活発となっています。その理由に迫ります。

富士山の麓・小山町にある巨大な施設。

これは、敷地面積2万8千平方メートル、日本最大級の陸上養殖施設です。その中にズラリと並ぶのは最大直径18mの巨大な水槽…その数なんと34個。

(佐藤 優里 アナウンサー)
「こちらはどんな施設ですか?」

(プロキシマー  二通 健太さん)
「こちらはアトランティックサーモンの養殖場になります」

(佐藤 優里 アナウンサー)
「ものすごく大きい水槽がありま すね」

サーモンの本場、ノルウェーに本社を置く企業が総事業費約240億円をかけて建設。2022年から養殖を開始した日本で初めてとなるアトランティックサーモンの陸上養殖施設です。

その裏側を見せてもらいました。

(佐藤 優里 アナウンサー)
「真っ暗です。…こちらは何の施設になるんですか?」

(プロキシマー  二通 健太さん)
「こちらはふ化場になります」
「環境としては、彼らが生まれる川底の環境を再現して、暗く、冷たく、流れのある環境を常に作っています」

(佐藤 優里 アナウンサー)
「だからこの部屋も真っ暗なんですね」

タマゴはアイスランドから輸入。ふ化から出荷できる大きさになるまで約2年間かかるといいます。

(佐藤 優里 アナウンサー)
「あ、見えました」

(プロキシマー  二通 健太さん)
「こちらは出荷前の成魚になります…(1つの水槽で)8千匹」*

養殖しているアトランティックサーモンは、常に泳いでいるため、身が引き締まり、程よいバランスの脂のリが特徴。

水槽の水の温度や水量などはコンピューターで24時間管理していて、さらにAIカメラで魚の大きさや重量を測定するなど最先端の技術が取り入れられているのです。

ここで育てられたサーモンは、日本全国のスーパーや市場などに出荷。

2026年・1年で約3000トン、数にして約100万匹のアトランティックサーモンを出荷する見込みで、将来的には今の1.7倍を超える5300トンの出荷を見込んでいるといいます。

では、なぜこの小山町で養殖を始めたのでしょうか。

(プロキシマー  二通 健太さん)
「こちらは100%富士山の地下水を利用して生産しています…豊富な地下水、すごく低水温で安定した大量の水が確保できることが大きなメリットです」

(プロキシマー  二通 健太さん)
「…病気の心配もありませんし、寄生虫の心配もありませんし、水質を僕たちが管理できる。大きなメリットでもあり挑戦でもあります」

海での養殖の場合、サーモンは春先のみの出荷になるといいますがこの施設では一年を通して、冷凍しない新鮮なサーモンを計画的に出荷できるのが大きなメリットだといいます。

(プロキシマー  二通 健太さん)
「世界的には養殖の方が生産量は多いんですが、日本はいまだに漁獲に頼っている部分が多いので、逆に言うと日本のすごく大きな可能性のある分野」

一方、これは10月、「静岡ガス」で行われた試食会。会場に並んだのはクエタマという魚の刺身やにぎり寿司です。その味は…。

(試食会参加者)
「上品で透き通った味」

(試食会参加者)
「繊細で上品な味がお寿司に合う」

実は「静岡ガス」が静岡市清水区に陸上養殖の施設を建設。

幻の高級魚と呼ばれる「クエ」と同じハタ科の中では大型の「タマカイ」を交配させた、「クエタマ」の養殖を始めたのです。一般的に「クエ」は成長速度が遅く、その生産コストが掛かることが課題とされて来ました。「タマカイ」は「クエ」に比べて成長が早く、かけ合わせることで、早く成魚になり生産性が上がり価格も抑えられることが期待されています。そのうえで味は「クエ」に近いとされ注目を浴びているのです。

この設備では6000匹のクエタマを育てられますが、今後、規模を拡大させ、年間3万匹の養殖を目指しています。

(静岡ガス 未来価値共創担当 橘髙 大輝さん)
「クエタマという魚は静岡では養殖している事業者はおりませんし、あとは実際の流通もほとんどない魚でございます。なので、あの地域に新しい価値という点で、上質な白身をお届けできるのかなと」

実際に、店舗に並んだ様子を取材すると…。気になるのはお値段。
「遠鉄ストア」によりますと、高級魚「クエ」に比べて半値ほどだといいます。

(客)
「クエはやっぱり高級魚のイメージがあるので、それがお安く買えるとなると期待します」

(遠鉄ストア 鮮魚バイヤー 太田 陽紀 さん)
「クエに近しい、クエ本来の味わいが感じられるお魚が、定期的に安定的に食べられるような環境づくりというか、そういった場を提供できるっていうのはすごくいいこと」

また、今後、陸上養殖の実用化に大きな期待がかかる研究も静岡県内で行われています。

それが「タコ」。国内では全国的に不漁に見舞われ、円安の影響で輸入のタコも高騰していて、いまや高級食材に様変わりしているのです。

総務省の調査でも、タコの価格は右肩上がり。タコがマグロよりも高くなる“逆転現象”が起きているのです。

安定した供給が求められる中、静岡市清水区の三保半島にある東海大学で、タコの養殖の研究が進められています。

タコの生態は謎が多く、養殖は難しいといわれていますが、エサのあげ方や生育環境の研究が進められていて、安定的な養殖に成功すれば世界初となります。

その研究を進めているのは、秋山信彦教授です。

そのほかにも様々な魚の研究をしていて、乱獲や生存環境の悪化で絶滅が危惧されているタツノオトシゴの研究も行っています。

今なぜ陸上養殖は増えているのでしょうか。そこには、新規ビジネスとして参入しやすい点があるといいます。

(東海大学 海洋学部 秋山 信彦 教授)
「海面を使うといろいろな法律をクリアしないといけないんですけど、陸上の場合は土地を持っていればどこでもできる、どんな人でも養殖しようと思えばできるのが最大のメリット」

一方で、課題も…。

(東海大学 海洋学部 秋山 信彦 教授)
「最大のネックになるのがエネルギーです…閉鎖循環の場合、温度を一定に保たないといけない。このエネルギーコストがものすごくかかる。その問題がうまく解決すればもっともっと産業として広がっていくと思う」

(スタジオ)
(伊藤 薫平 アナウンサー)
(コメンテーター 経営コンサルタント 坂口 孝則 氏)
(レギュラーコメンテーター 津川 祥吾 氏)
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