築野グループ、文部科学大臣表彰「科学技術賞」を受賞 廃食用油を循環利用した高機能金属加工用基油を開発 – ELEMINIST


築野グループが、廃食用油をリサイクルした高機能金属加工用基油の開発で令和8年度文部科学大臣表彰「科学技術賞(技術部門)」を受賞した。高引火点・低粘度・低流動点の3つの基礎物性を同時に満たし、金属加工油分野で初の実用化として評価された。
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築野オレオケミカルズ株式会社は、令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、「循環型社会を目指した高機能性金属加工用基油の開発」の業績で科学技術賞(技術部門)を受賞した。廃食用油のリサイクル技術の開発に加え、家庭から排出される使用済み食用油の回収促進を通じた持続可能な社会の実現への取り組みが評価されたものだ。表彰式は2026年4月15日(水)に文部科学省にて開催される。
築野グループは1960年にオレオケミカル事業を開始。こめ油や各種植物油の精製で生まれる副生成物を原料に、脂肪酸や脂肪酸誘導体を製造してきた。1990年代からはこの技術を活かし、使用済み食用油のリサイクルにも展開。長年にわたる技術開発により、原料から誘導体まで一貫して生産・開発できる体制を整え、技術革新を重ねてきた。その成果は、樹脂、インキ、加工油、可塑剤、接着剤、石鹸、アスファルトなど幅広い分野で石油由来原料の代替として活用されている。
科学技術分野の文部科学大臣表彰は、科学技術に携わる者の意欲の向上を図り、日本の科学技術の水準の向上に寄与することを目的として、科学技術に関する研究開発・理解増進等において顕著な成果を収めた者を表彰するものだ。表彰式は2026年4月15日(水)に文部科学省にて開催される。

今回、令和8年度科学技術分野の文部科学大臣表彰において、「循環型社会を目指した高機能性金属加工用基油の開発」の業績で科学技術賞(技術部門)を受賞した。
金属加工油業界において、潤滑油は以下の重要な役割を担っている。

機能 役割
潤滑 加工時の機械や材料の動きを円滑にする
冷却 加工時に発生する熱を抑える
切削性の向上 金属を切る・削るなどの加工精度を高める

近年は加工の高精度化が進み、これまで以上に高い性能が求められる一方、コスト削減の観点から使用量をできるだけ減らしたいという要望もある。廃棄物を減らし資源を有効に活用できる循環型・環境配慮型の素材への関心も高まっており、「高性能」「使用量削減」「環境適合」の複数の課題を同時に満たす新しい循環型金属加工用基油の開発が求められていた。
本開発では、従来は両立が難しかった3つの基礎物性を同時に満たす高機能な金属加工用基油の開発に成功した。

基礎物性 意味
高引火点 火がつきにくく安全
低粘度 さらさらして扱いやすい
低流動点 低温でも固まりにくい

本成果により、金属加工メーカーにおける潤滑油の設計が容易になり、安全性や作業性の向上に加えて消費エネルギーの削減に寄与する。さらに、廃棄物由来の原料を主体的に再利用できることを示した点は、金属加工油分野では初めての実用化の試みであり、循環型社会の実現に向けた意義ある一歩だ。

また、使用済みの廃食油(同社販売の食用油を含む)を回収し原料として再利用することで、食用油廃棄物を削減する「リデュース」と、資源として再び活用する「リサイクル」を両立する仕組みを構築。環境負荷の低減と資源の有効活用を進めながら、金属加工油の使用量削減を通じてエネルギー利用の効率化が期待される。
本研究は、当社の事業と研究活動が結びつき、多くの関係者の協力により実現した成果だ。本表彰は、現場で支えてくださった皆さまのおかげと深く感謝している。今後も、環境・性能・コストなど多様な要求を踏まえ、現場の視点を大切にしながら、実用につながる研究を推進し、持続的な事業価値の創出に貢献するとしている。(企画開発部2部 次長 山本弥)
同社のスローガンであるゼロエミッションを基本とし、同時に厳しい規格をクリアできたのも関係各位のサポートのおかげだとしている。今回の受賞を励みに、今後はより一層の成果を出せるよう精進するとのことだ。(ヤシロ工場研究開発課 課長 中島晃)
問い合わせ先/築野グループ株式会社
https://www.tsuno.co.jp 
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