ラダック火成弧の1億3000万年の進化を解明 インド – Science Portal Asia Pacific


インド科学技術省(MoST)は3月17日、同省傘下のワディア・ヒマラヤ地質研究所の研究者らが、北西ヒマラヤのラダック火成弧(LMA)がネオテチス海洋プレートの沈み込みからインドプレートとユーラシアプレートの衝突に至る過程でどのように進化したかを明らかにしたと発表した。研究成果は学術誌Geoscience Frontiersに掲載された。
LMAは、トランスヒマラヤに分布する火成岩帯で、ジュラ紀から始新世に当たる約2億130万年前~3390万年前に形成された。今回の研究では、この火成弧が約1億3000万年にわたり、インドプレートとユーラシアプレートの沈み込み、成熟、衝突の履歴を記録していることを示した。
研究チームは、衝突前のドラス・ニダル島弧複合体(DNIAC)、衝突前から衝突期に形成されたラダック岩体(LB)、さらに衝突後の苦鉄質岩脈を比較した。その結果、LMAのマグマ活動は、ネオテチス海の地球力学に支配され、3つの主要な活動期、すなわち1億6000万~1億1000万年前、1億300万~4500万年前、4500万年前未満に分けられることが分かった。各段階は異なる地球化学的特徴を示し、沈み込むスラブ、弧下マントルウェッジ、地殻成分の関与の違いを反映していた。
(出典:PIB)
最初期には、現在のラダック地域はネオテチス海上の火山島列のような環境で、マグマは主としてマントル由来であり、沈み込む海洋プレートに伴う堆積物の寄与は小さかった。その後、プレートの収束が進むにつれ、地下深部で巨大な花崗岩体であるラダック岩体が形成され、大陸由来物質の化学信号が強まった。これは、インドプレートとユーラシアプレートの接近に伴い、堆積物や地殻片がマグマに再利用される度合いが高まったためである。最終的に両プレートの衝突でネオテチス海は閉じ、ヒマラヤ山脈が隆起した後も、苦鉄質岩脈としてマグマの上昇が続いた。
研究チームは、ストロンチウムやネオジムなどの希少元素と同位体を測定し、マグマが深部マントル、再循環した堆積物、大陸地殻のどこに由来するかを復元した。その結果、堆積物の沈み込みによる影響は、DNIACよりもコヒスタン・ラダック岩体(KLB)でより顕著だったとしている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
発表論文: Bhat et al. (2026) Decoding the tectonomagmatic evolution of the Ladakh Magmatic Arc, NW Himalaya: A multi-proxy geochemical and isotopic approach.
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