
アメリカとイスラエルのイラン攻撃によるホルムズ海峡の封鎖など、中東情勢が緊迫する中、帝国データバンクは、中東13か国(※)に進出、または該当国の企業(現地法人など)と取引を直接・間接的に行なう企業について調査・分析を実施。結果をグラフや図表にまとめて発表した。
今回の調査は、同社保有する信用調査報告書ファイル「CCR」(200万社収録)など、同社データベースから分析可能な企業を対象に行なわれた。
本稿では同社リリースをベースに、その概要をお伝えする。
※ 中東の定義について…アラブ首長国連邦(UAE)、イエメン、イスラエル、イラク、イラン、オマーン、カタール、クウェート、サウジアラビア、シリア、バーレーン、ヨルダン、レバノンの13か国。パレスチナは集計対象から除かれた。
※ 進出の定義について…現地法人や関係会社・関連会社の設立及び出資、駐在所・事務所の設置などを通じて現地に進出ケース。
パレスチナを除く中東地域13か国に進出、または輸出入(貿易)事業(=「中東事業」)を展開する日本企業は、2026年1月時点で少なくとも計1515社が判明した。このうち、駐在拠点や工場など現地に「進出」している企業は469社、輸出入など「貿易」を行なう企業は1137社であった(「進出」「貿易」でそれぞれ重複を含む)。
相手国別にみると、最も多く事業を展開していたのは「アラブ首長国連邦(UAE)」で709社に上り、中東全体のうち約半数をUAEが占めた。特に構成国の「ドバイ」首長国で事業を展開する企業が多く、現地販売拠点のほか、石油・天然ガス資源の開発など資源関連企業における拠点進出、中古車の輸出入なども多くみられた。
次いで多いのは「イスラエル」(473社)で、テルアビブ市を中心に日本企業の進出が判明した。先端半導体をはじめとするR&D拠点、イスラエル国内のスタートアップへの出資、現地子会社や生産拠点といった形での進出が目立った。「サウジアラビア」(268社)は、大手商社や金融機関のほか、石油関連産業や風力発電などエネルギー産業に関連した商材を取り扱う企業の進出が他地域に比べて目立つ。
上位3か国以外では、米国・イスラエルとの軍事衝突が発生している「イラン」で、日本企業126社の活動が判明した。中東では4番目に多く、食料品や家具・インテリアの輸入などでイランから輸入事業を展開する日本企業が多かった。イランへの進出企業ではカタール(32社)に次いで5番目に多い。
中東13カ国で活動する日本企業を業種別にみると、最も多いのは「卸売業」の883社で、進出・貿易全体の6割弱を占めた。卸売業のうち、電化製品など「機械器具卸売」(250社)が最も多く、現地での中古高級自動車の輸出入事業を中心とした「自動車・付属品卸売」(227社)、「その他卸売」(153社)が続いた。
「製造業」(291社)は全体の約2割を占め、ポンプや金属工作機械、タービンなど「一般機械器具製造」(87社)、発電機など「電気機械器具製造」(54社)が多くを占めた。
「サービス業」(127社)は、ソフトウェア開発など「広告・調査・情報サービス」(76社)が最も多く、経営コンサルタントなど「専門サービス」(31社)、建機レンタルなど「その他サービス」(11社)となった。
都道府県別(本社所在地に基づく)では「東京都」が最も多い646社だった。「大阪府」(227社)、「愛知県」(129社)が続き、3都府県で全体の6割超を占めた。中東13か国のいずれかに進出、または輸出入を行う企業は、全国43都道府県で判明した。
2026年2月28日の米・イスラエルによるイラン攻撃、それに対抗するイランによる周辺国への報復により、弾道ミサイルやドローンを組み合わせた攻撃がUAEやサウジアラビア、カタールなど広範囲に広がった。
既に、イランや近隣地域に拠点を構える日本企業では、駐在員や家族の安全確保に向けた国外退避を進めていることもあり、現地プロジェクトの停止や遅延・延期が避けられない情勢となっている。
日本企業ではこれまで、UAEやサウジアラビアなど、現地の良好な治安面から拠点展開や投資を進めてきたものの、中東情勢の急激かつ長期的な悪化が予想されるなかで、安全が確保されるまでの間は事業の見直しや休止が懸念される。
また、足元ではホルムズ海峡がイランにより「事実上の封鎖状態」となるなか、特に湾岸諸国と日本の物流が難しくなっている。中東13か国と輸出入を行う企業は全国43都道府県で1000社を超えており、事態が長期化すれば国内の商業活動でも影響が拡大するとみられる。
関連情報
https://www.tdb.co.jp/index.html
構成/清水眞希
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