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沖縄科学技術大学院大(2022年、沖縄県恩納村で)
人工的に冬眠させたマウスの脳を調べ、記憶を長く維持できる仕組みの一端が分かったと沖縄科学技術大学院大などのチームが発表した。脳の神経細胞同士の接続パターンが記憶の維持に関係する可能性があるという。論文が14日、科学誌サイエンスに掲載される。 【図解】実験のイメージ
記憶は、脳にある「海馬」がつかさどっている。ただ、時間や経験に応じて常に変化する脳内で、記憶が安定して保たれる仕組みは分かっていない。
チームは脳の特定の領域を刺激し、人工的に冬眠状態にしたマウスの脳を調べた。その結果、海馬の神経活動は大幅に低下し、神経細胞同士がつながる「シナプス」も半分以上失われていた。だが、餌の場所を記憶させた後に冬眠したマウスは、冬眠から目覚めても餌のありかを覚えていた。
そこで活性化したシナプスだけが発光するマウスを作り、脳を顕微鏡で観察した。すると、一部の密集化したシナプスが生き残り、複数の神経細胞とつながっていることが判明した。
記憶の維持に重要なのはシナプスのつながりの強さではなく、選択的に残ったシナプスと神経細胞の接続パターンにあることを示唆しているという。チームの田中和正・同大准教授(神経科学)は「記憶の普遍的なメカニズムを理解する上で意義が大きい」と話す。
冬眠に詳しい北海道大の山口良文教授(分子冬眠学)の話「人工的に冬眠状態にすることで新しい知見が得られたことは意義深い。自然界でも同様の現象が起きているかどうかの解明には、まだ研究の余地がある」
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