ナノ流体電解液で亜鉛空気電池の正極性能向上と負極腐食抑制を両立 インド – Science Portal Asia Pacific


インド科学技術省(MoST)は7月24日、インドのサストラ大学の研究者らが、電気的に再充電できる亜鉛空気電池の正極性能を高めるナノ流体電解液など一連の技術を開発したと発表した。
正極における酸素反応速度の向上と、負極における水素発生反応および亜鉛腐食の抑制に向けて採用した各種手法の流れ
(出典:PIB)
水系電池は、安全で低コストかつ環境負荷が小さいリチウムイオン電池の代替候補として注目されている。中でも亜鉛空気電池は、理論エネルギー密度が高く、安価で、水系の化学反応を利用する。一方、亜鉛負極では不要な水素発生により電荷が失われ、金属が腐食する。空気正極では、高価な白金やルテニウムの触媒を使わなければ酸素反応が進みにくいという課題があった。従来の高価な腐食防止剤も酸素反応速度を妨げることが多かった。
サストラ大学のS・デバラジ(S. Devaraj)博士が率いるチームは、標準的な電解液に少量の安価なシリカと酸化亜鉛のナノ粒子を分散させた。このナノ流体電解液は、水素発生反応と腐食を同時に抑え、正極の酸素反応性能も高め、一つの低コストな手法で両電極の問題を解決した。インド科学技術庁(DST)が支援したこの技術は、インド特許を取得し、利用可能な段階にある。
さらに、酸素還元反応(ORR)と酸素発生反応(OER)を促進する、豊富に存在する元素を用いた二機能性触媒を開発した。開放型のトンネル状構造を持つα-MnO2が最高性能を示し、銅を2重量%添加すると白金系とルテニウム系の標準触媒を上回った。
また、家庭用浄水フィルターの廃活性炭を水熱処理でMnO2/Cナノ複合材料に転換し、二機能性電極触媒と高性能スーパーキャパシター電極を開発した。この工程については特許を出願した。使用済み医療用マスクから作製した活性炭は、記録的に大きな表面積を持ち、白金に匹敵する酸素還元活性を示した。廃棄物由来炭素は他用途にも調整でき、同手法はほぼすべての炭素系廃棄物に適用できる。ナノ流体電解液も他の水系電池へ展開できる可能性がある。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部
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