
SamsungはFMS 2026で400層超のV10 BV-NAND、zNAND-O、HBM5、zHBMなど次世代AIメモリ技術を発表した。AI推論時代のストレージ需要拡大を見据え、NANDとHBMの両分野で性能・容量・電力効率を高め、AIデータセンター市場での競争力強化を狙う。
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Samsung、FMS 2026で次世代AIメモリ技術を公開
Samsungは、米カリフォルニア州サンタクララで開催されたFMS(Future of Memory and Storage)2026で、最新のAI向けメモリ技術を発表した。inews24によると、同社は次世代の高帯域幅メモリ(HBM)であるzHBMとHBM5に加え、400層超のV10 BV-NAND(V-NAND)、さらに次世代NANDアーキテクチャzNAND-Oを公開した。
AI需要の拡大を背景に、SamsungはNAND技術の進化も加速させている。Reutersによると、AIワークロードは大規模言語モデル(LLM)の学習から推論へと広がり、高容量ストレージの需要が急増している。NANDフラッシュメモリはスマートフォンをはじめとする各種デバイスで、写真や動画、アプリケーションなどのデータ保存に広く利用されている。
400層超V-NANDで高密度化を実現
Samsungは、第10世代となるV10 BV-NANDを披露した。Green Economy Newspaperによれば、これは業界初の400層超積層構造を採用したV-NANDであり、ウェハーボンディング技術と3-Stack技術によって超高積層化を実現している。
前世代V9と比べると、
* メモリ密度:約58%向上
* 読み書き性能:向上
* I/O速度:向上
という性能改善を実現した。
またSamsungは、DRAM並みの速度とNAND並みの容量を両立することを目指すzNAND-Oを初公開した。AI PC、AIスマートフォン、AIロボット、AIサーバーなど、オンデバイスAIからデータセンターまで幅広い用途を想定している。
さらに韓国メディアによると、SamsungはすでにV10 V-NANDを量産し、NVIDIAへ供給しているほか、500層級となる第11世代(V11)V-NANDの開発も加速している。
競合のSK hynixもFMS 2026で世界初となる375層の第10世代4D NANDを公開する予定で、電力効率を従来比2.5倍に高めた製品を来年から量産する計画だ。
HBMロードマップも次世代へ
SamsungはHBM分野でも新技術を披露した。
新たに公開したzHBMは、HBM5比で最大8倍の性能を実現するとしている。また、メモリとAIアクセラレータの間に顧客独自のIPを組み込める構造を採用し、用途に合わせたAI半導体設計を可能にする。
さらにHBM5は、
* HBM4E比で性能2倍
* 熱抵抗を20%低減
という性能向上を実現した。
Samsungは新しい放熱技術Heat Path Block(HPB)を採用し、発熱を抑えながら信頼性も向上させたとしている。
AIデータセンター向け製品も展示
Samsungはこのほか、メモリ内部で演算を実行するLPDDR5X-PIMも展示した。データ移動を削減することで、消費電力の低減を実現する。
またAIデータセンター向けエンタープライズSSDとしてPM1763およびBM1773も紹介し、AI時代に拡大するストレージ需要への対応力をアピールした。
今回の発表で最も注目すべき点は、SamsungがHBMだけでなくNANDにもAI戦略の軸足を置いていることである。
これまでAI市場ではHBMばかりが注目されてきたが、生成AIが推論中心へ移行するにつれ、学習済みモデルや推論データを保存するための大容量ストレージ需要が急速に高まっている。400層超V-NANDやzNAND-Oの投入は、この市場変化を見据えた戦略と言える。
また、HBMではzHBMというさらに先を見据えたロードマップを提示し、HBM5では放熱技術まで刷新したことから、Samsungが性能だけでなく実装性や電力効率も重視していることが分かる。
一方で、SK hynixも375層4D NANDやHBM分野で攻勢を強めており、NAND・HBMの両市場で技術競争はさらに激化する見通しだ。今後は積層数の競争だけでなく、発熱対策、電力効率、AIアクセラレータとの統合技術が各社の差別化要因になるだろう。
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