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量子科学技術研究開発機構(QST)などは肝臓に中性脂肪がたまった脂肪肝などの状態を早期に見つける手法を開発した。マウスを使った実験で、脂質代謝異常に関わる重要な酵素「パラオキソナーゼ(PON)」の働きを高性能の磁気共鳴画像装置(MRI)で可視化することに成功した。
肝臓に脂肪が蓄積した状態の早期発見技術につながることが期待される。
脂肪肝などによっておきる肝疾患は成人の3人に1人が当てはまるとされる生活習慣病で、重症化した場合は炎症が進み、肝硬変や肝がんにつながる。従来の血液検査などでは病気の進行を正確に捉えるのが難しかった。
QSTなどの研究グループは従来より検出感度を高める次世代型の超偏極MRIという技術に着目し、肝臓のPONの働きを検出するのに役立つ分子を探した。そこでPONによって分解される分子に炭素13の目印をつけ、分解前と分解後のMRIの信号を計測した。信号を一時的に強める「超偏極」を利用し、信号比を比べた。
炭素13の目印をつけた分子を超偏極すると通常のMRIで測る場合に比べ、信号を約23万倍に増強できた。実験用マウスで尻尾の静脈から物質を投与すると約20秒の画像スキャンで酵素の働きを捉えられることも確かめた。脂肪肝や脂肪肝炎を起こしたマウスでは、病態の進行に伴って酵素の働きが低下する様子も画像化できた。
今後は安全性を確かめる実験や臨床研究などを経てヒトでの診断機器として実用化を目指す。成果は英学術誌「センサーズ・アンド・ダイアグノスティックス」に掲載された。
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